お客様のカート 会員ページへログイン・新規登録 ご利用案内 茶道具通販のお問い合せ サイトマップ
RSS
  • 茶道具通販商品一覧
  • 煎茶道具通販商品一覧
  • 法人様・大口注文向け茶道具
  • 学校茶道のみなさま向け茶道具
  • 茶道具 尾道 藤原茶舗店舗案内
  • FAX注文用紙
  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

「龍の玉手箱」

               

尾道市商店街は、店の跡継ぎがなく、シャッターを閉めたり、廃業をしたりする店が増えています。これは全国的な傾向で、尾道市商店街も元気を出そうと女将さんが立ち上がり、商店街連合会女性部を作りました。

「龍の玉手箱」は、そのような過程で誕生をしました。一昨年の夏のことです。私は、できることならどこにも所属をせずに、細々と自分の店のことを考えていけばいいと思っていました。

が、商店街は、昔の時代から現在、そして未来にと受け継いでいかれなくてはいけない存在なのです。と言われた時に、店の歴史は商店街を抜いては語れないほど、商店街に位置して仕事をさせてもらっていると感じ考え直しました。そして、商店街に思い出を持った人たちがたくさんいると言うことも感じました。

本通り商店街に面して、お店を開くと言うことは、戦後の何もない時代の人にとっては、夢のような憧れの話だったと、語り継がれています。

「龍の玉手箱」は、共通の赤い箱の中に、自分の店のアピール商品を入れて、自分の店からのメッセージを入れています。弊店の玉手箱は、おみやげ物のように、しっかりとした商品ではないので、「ください」と言われた時は、お金を頂戴するのが悪い気がします。

でも、自分の店を知ってもらえるという愉しさや、お客様との会話がとても楽しく、自分の店を見直す良い訓練になりました。その訓練が、今ではパソコンの店作りにつながっています。何でも一所賢明にやることが、全てのことなのですね。「無功徳」という禅の言葉をいろいろな局面で感じます。(メールマガジンの登録をしてくださった人には、茶席の禅語として、毎月一回、禅語と意味を送っています。今月は「無功徳」でした。意味を知りたい人は、メール登録をお願いします)

私は、お茶を入れました。その中に、巻物状に「美味しいお茶の入れ方」を入れ、尾道の思い出にと、ねこの小銭入れを入れ、その中に、魔よけになるといわれる「トンボ玉」を入れました。違うバージョンでは、ガラスの龍を入れ、「お願いドラゴン」と名付けました。そして、紙に「龍を見つめて、お願い事を心の中で、3回唱えてくださいね。」と、メッセージを入れました。皆さんは、伝承の折り鶴の「妹背山」という折り方をご存じですか。

古来より伝わる折り方で、一枚の紙で、2羽の羽がつながった鶴が折れます。これは、おめでたいときに使う鶴です。結婚式で、新婦が自ら手折り、両親に贈ったということをお聞きして入れました。

そして、箱の底には、秘密を入れておきました。その時々によって違いますが、好評だったのは、おみくじを作り、「大吉」にして、「花の種」を入れて「お願い事を一つだけして植えてくださいね」というものでした。種は、大好きな朝顔の種でした。花を一生懸命に慈しみ育てることで、人は豊かな心になれそうな気がしたのです。

秘話として、おみくじは「全て大吉」にしました。最初は、大吉・中吉・小吉としましたが、せっかく買ってくれたのに、「小吉」は悲しかったと言われ、気がつきました。

せっかく、ここまで幸せな気持ちが伝わっているのに、最後の最後に「小吉」となった人はどう思うのでしょう。私は、吉なのだからと思いましたが、購入する人は、一人1個です。とすれば、その人にとっては、一回限りで、次に大吉がでるまで購入したいとは思われないでしょう。

ですから、「一期一会」の精神で、一回限りのご縁でも、「あなたに幸せが訪れますように」という気持ちを込めて、大吉としました。

そうやって一年たったある日、うれしいメールがありました。結婚式の引き出物につけるので、至急に納品して欲しいというものでした。「龍の玉手箱」は、ほどんどが手作業で、10個作るのに一日半かかります。だけど、その言葉がうれしくて、「本気を出そう」と、考えました。知り合いの紙屋さんで相談をすると「鶴」なら、「亀」だと言うことになりました。しかし、週末なので、問屋さんに頼むことができません。、あきらめかけていたら、「明日の夕方まででよければ作る」と、紙屋の主人が言ってくださり納品できました。

「龍の玉手箱」は、人を幸せにするだけでなく、自分自身も幸せな気持ちにしてくれる箱です。尾道商店街の女性部の店には、このような玉手箱がおいてあります。商店街を歩いて探してみてくださいね。そろそろ、皆さん、秋バージョンを制作中です。

ページトップへ