第二回 尾道文学ヨミガタリの会
2008年7月4日(水) 午後7時から9時まで 尾道まちかど文学館
【参加者】7名 【課題】『風琴と魚の町』
今回は、林 芙美子さんの『風琴と魚の町』の6章から10章を読み進めてきました。
今回は、尾道大学を卒業して、尾道が大好きで尾道の山手に移り住んでいる若い人が参加してくれました。
若い人が尾道の歴史を聞きながら、次世代に昔の尾道を伝えてくれることを、とてもうれしくたくましく感じました。
若い人の声は、はつらつとして、若き 林 芙美子さんがテンポよく文章を書かれている行間をそのまま伝えてくれるような心地よさでした。
林 芙美子さんが、通った尾道の県女は、当時としては裕福な階層のお嬢様が通われたといわれています。なので、当時の彼女の存在は、賛否両論があったようです。
『放浪記』を書き、ベストセラーになり、作家としてデビューをした彼女は、尾道に凱旋公演にやってきます。当時、福山出身の井伏鱒二さんと一緒に、故郷に錦を飾りに来たのです。
最初、林 芙美子さんは、母校の県女(現 尾道東高等学校)で、講演をしたいと願いました。しかし、なぜか許可がおりず、できたばかりの尾道商業会議所記念館で、講演をします。
(尾道商業会議所記念館内) (記念館の窓からも海が見えます)
しかし、書くこととは得意でも、しゃべることが苦手な二人では15分もすると話がなくなり、困り果てていたところに、横山美智子さんがかけつけ、救いの演説をしたと伝えられています。
自分たちの住む町の再発見の読書会でした。何度も、何度も『風琴と魚の町』をしたいという声と、新しい小説に進みたいという声に分かれました。集まった者のかじ取りで、次は、『清貧の書』ということになりました。
勉強会が落ちついてきたら、林 芙美子さんの研究をなさっている先生をお呼びしたいと思っています。
この活動は、文化庁の市民からの文化力に登録されています。