土堂小学校の子供たちと「あじさゐ忌」
2008年6月29日は、林 芙美子さんを偲ぶ「あじさゐ忌」が行われました。
この行事は、尾道本通り一番街商店街と、アジサイの会が共催し、尾道市・尾道市教育委員会・尾道文化協会が後援をしています。
林 芙美子さんの母校である尾道市立土堂小学校の四年生の児童の歌声が梅雨空の下に響きました。
朝11時に会は始まりました。一昨日から、商店街の人々は準備に追われ、設定は当日の天気次第です。
日曜日の梅雨空の下、近所の自営業の子供さんが制服を着て、傘を片手に小学校にかけていきました。アーケードの下を制服姿の子供たちが歩いていきます。
子どもたちの歌声は、梅雨空の下、遠くまで響き、その声に誘われて300人の関係者が、思いを遠く大正時代に馳せたのでした。
歌の途中、雨が強くなりました。見ている人の何人かが傘を開き始めました。でも、子供たちは、雨に濡れながら歌っています。
校歌の次は、学校坂道です。
「この坂道をのぼったら ぼくの学校があります。
ジャングルジムに登れば 海が真っ青に見えます。
青空に抱かれた ぼくの自慢の学校
この坂道をぼくは毎朝 風を切ってかけます。
この坂道をおりるのは 空が赤く燃えるころ
丘を渡る澄んだ空気 うしろに長い影
ともだちの笑顔も 夕焼けにそまります
この坂道をぼくはあしたも 口笛とのぼります」
アジサイの会の歌のあとに、子供たちは、芙美子像に献花をしました。あじさゐの花は、市民の人が、この日のために大切に育ててくださっています。今年は、土堂小学校の子供たちも自分たちの手であじさゐを育てたそうです。
平谷尾道市市長の、お顔も見えました。
商店街は寂れている。全国的にこのような傾向にありますが、その商店街の私たちを、いつも勇気づけてくれるのが土堂小学校の子供たちです。
この「あじさゐ忌」の合わせて、五年生の子供たちが、『風琴と魚の町』の一小節を習字で書き、50枚を各店先に飾りました。
大正時代、林 芙美子さんが住んだことがあるこの場所で、林 芙美子さんを知る人が少なくなってきている時代に、確かに尾道の歴史と文化を次世代の子供たちに受け継いでもらっているという実感がもてた出来事でした。
土堂小学校の子供たちは、尾道という誇れる故郷を持ち、商店街という地域とともに育っています。
いつもご尽力くださいます、松原校長先生、高橋教頭先生、諸先生の皆様、この場をお借りしてお礼申し上げます。