2014年7月 七夕月・七夜月・文月
京都の歳時記
七月・文月は、京都では「祇園祭り」の行事が一か月かけてとりおこなわれます。朝顔市、ほおずき市、七夕、葉蓋、お家元では夏季講習会が行われます。
炎えるようなこの時期は、何はともあれ、涼を求めたいものですね。京都では午後3時ごろになると、必ず入道雲が湧き夕立がきます。その強い男性的な雨足の後の清々しさは、この時期でなければ味わえないものであり、この中に茶味があります。
「風そひて夕立晴れる野中かな」 白雄
「茶掛」は、「白雲飛悠々・はくうんとんでゆうゆう」という禅語があります。
長かった梅雨が明け、うっとうしかった気持ちも過ぎさり、真白な雲が無心に悠々と大空に浮かんでいます。
大空のそんな雲を眺めていますと、なにか心がゆったりとした気分になってきます。その雲は、いつまでも、そこにとどまっているわけではなく、無心に飛び、去来しています。
このように広くとらわれのない心を己の心として、自由自在の働きができるようにと念じながら、日々を過ごしていくようにしたいものです。
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三室戸寺では、アジサイと蓮が楽しめます。
二十四節気(七十二候)
【夏至 6/21日】陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也(暦便覧) 一年中で一番昼が長い時期であるが、日本の大部分は梅雨の時期であり、あまり実感されない。花しょうぶや紫陽花などの雨の似合う花が咲く季節である
【末候 7/2日】半夏生ず(はんげ、しょうず)
【小暑 7/7日】大暑来れる前なれば也(暦便覧)梅雨明けが近く本格的な暑さが始まるころ。集中豪雨のシーズン。蓮の花が咲き、蛙の合唱が始まるころである。
【初候 7/7日】温風至る (あつかぜ いたる)
【次候 7/12日】蓮始めて開く(はす はじめてひらく)
【末候 7/17日】鷹すなわちわざをならう (たかすなわち わざをならう)
【大暑 7/23日】暑気いたりつまりたるゆえんなれば也(暦便覧)最も暑いころという意味であるが、実際はもう少し後でしょうか。夏の土用の時期。学校は休みに入り、空には雲の峰が高々とそびえるようになる。
【初候 7/23日】桐始めて花を結ぶ(きり はじめてはなをむすぶ)
【次候 7/28日】土潤いて蒸し暑し(つち うるおいてむしあつし)
【末候 8/2日】大雨、時々降る(だいう、ときどきふる)
七十二候は中国で生まれたものですが、日本に伝わってから気候の違いや日本に生息しない動植物などの名前を入れ替えるなど、時代や編者により多くの版があり、どれが正しいとは言えないのが現状です。
上記は明治時代の伊勢神宮略本暦に記載されたものです。
銘は、「青苔」「青海波」「夏月」「荒磯」「滝川」「夏山」「七夕」「蛍」「名古曾」「戸難瀬」などがあります。
季語は、「小暑」、「大暑」、「土用」、「氷の朔日」、「三伏」、「夏の日」、「挽夏」、「夏の雲」、「青東風」、「夕凪」、「夕立」、「夏の露」、「虹」、「富士詣」、「虫干」、「編笠」、「梅酒」、「心太」、「船遊び」「蓮」などです。「氷の朔日」旧暦の六月一日に、昔は氷餅を献上する行事があった。
「蝉の音をこぼす梢のあらしかな」 各務支考『梟 日記』
「最上川の上空にして残れるはいまだうつくしき虹の断片」 斎藤茂吉 『白き山』