十二月の着物のお約束
【十二月の着物のお約束】
十二月になると、お歳暮の季節です。小紋でゆったりとお歳暮のご挨拶に向かいたいものです。
最近では、羽織を着ることが少なくなりましたが、お母様、お祖母様の羽織をお借りして、お出かけすることも親孝行ですね。肩にはカシミアのショールを羽織ってみてはいかがでしょう。
茶席で羽織を着なきまりなのは、羽織は道中着として、埃よけの目的で使ったためで、目上の方の前では脱がなくては失礼にあたります。
(西陣織麗粋唐織袋帯 山路吉祥文)
十二月の着物は、「縮緬」「紬」「手織り紬」の袷に、長襦袢も、「綸子」「錦紗」などの生地に袖無双胴単で、帯は袷の織帯がよろしいようです。
半衿は、「塩瀬」または「縮緬」で、帯揚げも冬物で「三越縮緬」「無地・絞り」帯締めは「冠組」と、冬の季節ににふさわしい装いとなってきます。
十二月の懸釜といえば、「除夜の釜」ですね。以前は、茶人達がそれぞれに釜をかけて客に蕎麦や呈茶をしていたようで、それらの茶の家々を呼ばれて廻る風情がありましたが、昨今では失われつつあるようです。
気の合う知人で、「除夜の釜」を懸けながら、年越しを楽しみたいものです。
気温も冷え込み木枯らしが吹き始めるこの季節には、「袷の小紋」や「紬の羽織」は11月と同じですが、コートは道中着タイプが必需品となってきますね。
草履は、皮草履なども温かくていいようです。