十二月の茶花
お茶の世界では、過ぎ去った一年を振り返って、歳暮釜や年忘れ釜、除夜釜がしみじみとした茶味をもたらす季節です。
新しい年を迎える慌ただしさの中に、数少ない茶花を求めて、冬ごもりの落ち着きを味わいたいものです。
(石蕗)
秋の間、路地を楽しませてくれた石蕗の花も、冬枯れの中で今年、最後の花を見せてくれています。
丹波舟徳利に入れて、侘びた風情を楽しんでも良いですね。
(椿・初嵐) (日本水仙)
茶花は蕾が良いようですが、種類がよくわかるように開いた写真をのせています。
【初嵐椿】 別名・白玉椿です。白色・一重咲きの小~中輪の椿です。紅葉した花水木のひと枝を備前焼の掛花入れにいれてはいかがでしょう。
初嵐椿は、葉が大きいので唐金曽呂利に入れて、端正な姿を楽しむのもいいかもしれません。
糸目鶴首花入れも、すらりとして姿が美しいです。
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【日本水仙】 白磁鶴首に端正な水仙を入れると、楚々とした風情に心和みます。
【蝋梅と藪つばき】 蝋梅は、日本には、江戸時代に朝鮮半島を経て、やってきました。藪ツバキは、紅が主ですが、まれに白の藪ツバキがあるようです。蝋梅と藪ツバキで、枯れた野山の風情を出すことも、今の時期ならではの演出ですね。
たっぷりと濡らした竹一重切に入れたいものです。
(藪つばき) (蝋 梅)
【クリスマスローズ 九輪桜】花が少ないこの時期は、洋風の花も茶花になるようです。クリスマスローズは、いろいろな品種改良がされています。
九輪桜。どんな桜かと思いましたら、ポリアンサの事でした。この時期は、クリスマスの花のイメージで、目立った花が目につきますが、静かな感じの花を探してみるのも楽しみの一つですね。
(クリスマスローズ) (九輪桜)
【】 竹の一重切りに入れる時は、バランスが難しいですよね。照葉は、大きなハート形です。慎重に・・・。
中村翠嵐窯の鶴首花入れも照葉が、引き立ちます。
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(薩摩稲森) (藪椿・白)
「藪椿・白」は、天然記念物に指定されていることが多いそうです。
他に「淡妙蓮寺」「白菊月椿」「数寄屋椿」なども、今の季節を彩ります。